初めてでも優しく作れる鶏肉と根菜の炊き込みご飯とすっきりお吸い物の基本
夕方の台所に立つと、窓の隙間から入り込む風がすっかり冷たくなって、そろそろ温かい汁物が恋しい季節だなと感じます。
一日中、仕事や育児に追われて夕方にはエネルギーが残り少ない日。そんなとき、我が家の食卓を救ってくれるのが'一汁一菜'という選択です。たくさんのおかずを作らなくても、具だくさんの炊き込みご飯と、温かいお吸い物があれば、それだけでお腹も心も十分に満たされます。
今回は、初めての方でも失敗せずに作れる'鶏肉と根菜の炊き込みご飯'と、それに寄り添う'すっきりお吸い物'の基本をご紹介します。

1. 主役を引き立てる、引き算の炊き込みご飯
炊き込みご飯というと、具材をたくさん入れて豪華にしたくなりますが、一汁一菜の主食として毎日食べるなら、少し'引き算'をするくらいがちょうどいいのです。
鶏肉の旨味と、ごぼうや人参といった根菜の素朴な香りが合わさるだけで、炊飯器の蓋を開けた瞬間にふわっと幸せな香りが広がります。
材料の目安(作りやすい2合分)
- お米:2合
- 鶏もも肉:100g(小さめの一口大に切る)
- ごぼう:1/3本(ささがき、または薄切り)
- 人参:1/3本(細切り)
- 調味料:醤油 大さじ1.5、みりん 大さじ1.5、酒 大さじ1、塩 ひとつまみ
作り方の手順
- お米は研いでザルに上げておきます。
- 炊飯器の内釜にお米と調味料をすべて入れ、2合の目盛りまで水を注いで軽く混ぜます。
- その上に、下ごしらえしたごぼう、人参、鶏肉を順に乗せます。ここで混ぜずに、上に乗せるだけにするのが、芯が残らずふっくら炊き上げるコツです。
- 通常モードで炊飯します。
炊き上がったら、底からさっくりと空気を含ませるように混ぜ合わせます。根菜のシャキッとした食感と、鶏肉のジューシーな脂がご飯に染み込んで、これだけでごちそうになります。
2. お互いを引き立て合う、すっきりお吸い物
具だくさんの炊き込みご飯に合わせるなら、汁物はあえてシンプルで、すっきりとしたお吸い物がベストパートナーです。お互いの味を邪魔せず、一口すするごとに口の中をリセットしてくれます。
材料の目安(2人分)
- だし汁:400ml(昆布と鰹節、または手軽なだしパックで)
- 具材:お豆腐 1/4丁、三つ葉やネギ 少々
- 調味料:薄口醤油 小さじ1/2、塩 小さじ1/3
作り方の手順
- 鍋にだし汁を入れて温めます。
- さいの目に切ったお豆腐を加え、弱火で温めます。
- 塩と薄口醤油で味を調えます。お吸い物は'少し薄いかな'と感じるくらいの優しい塩加減が、炊き込みご飯の醤油味を引き立ててくれます。
- 器に盛り付け、仕上げに三つ葉を添えます。
だしがじんわりと体に染み渡り、冷えた指先から温まっていくような感覚。この一杯があるだけで、一日の緊張がほぐれていくのを感じます。
3. 失敗しないための、ちょっとした下ごしらえのコツ
'炊き込みご飯がベチャッとしてしまう'、'味が薄くなってしまった'という失敗を防ぐために、いくつか小さなポイントがあります。
- お米の水分量を守る:調味料を先に入れてから、水を規定の目盛りまで足すことで、水分量が狂うのを防ぎます。
- 具材は上に乗せるだけ:お米と具材を混ぜてから炊くと、熱の対流が遮られて炊きムラや芯が残る原因になります。具材は必ずお米の上に広げて乗せてください。
- ごぼうのあく抜きは短時間に:ごぼうは水にさらしすぎると香りが抜けてしまいます。切ったらサッと水にくぐらせる程度で十分です。
完璧を目指す必要はありません。少し形が不揃いでも、炊飯器が美味しく仕上げてくれます。
今日はこれで十分、と自分に許可を出すこと
夕飯の準備に追われてイライラしてしまうくらいなら、おかずの数を減らして、温かいご飯と汁物をゆっくり味わう時間を選びたい。
'今日はこれだけでいいんだ'と思えると、肩の荷がすっと軽くなります。子供と一緒に'いい匂いだね'と言いながら、炊飯器の湯気を眺める時間。そんな何気ない日常のひとときが、明日を乗り切る小さなエネルギーになってくれます。
今夜は、温かいお吸い物と炊き込みご飯で、心も体もじんわりと満たしてあげませんか。


