体が重い梅雨の時期に包丁をあまり使わず作れる新ごぼうと豆腐の一汁一菜豚汁
朝から部屋の隅がなんとなく湿気を含んでいて、自分の体まで水分を吸って重たくなったように感じる梅雨の季節。こんな日は、台所に立つのも少し億劫になりますよね。
子どもを送り出したり、日々の細かな用事を済ませたりしているうちに、夕飯の準備の時間が近づいてくる。でも、手の込んだものは作りたくないし、まな板や包丁を何度も洗う元気もない。そんなときに我が家でよく登場するのが、包丁をほとんど使わずに作れる『新ごぼうと豆腐の豚汁』です。
これ一杯と、温かいご飯があれば、それだけで今日の夕飯は十分。そんな気持ちで、肩の力を抜いて作れる一汁一菜のレシピをご紹介します。

なぜ梅雨どきに『新ごぼう豚汁』なのか
梅雨の時期は、体の中に余分な湿気が溜まりやすく、胃腸の働きも鈍くなりがちだと言われています。なんとなく体が重だるい、食欲がわかないと感じるのは、そのせいかもしれません。
新ごぼうは、冬のごぼうに比べて柔らかく、香りも軽やか。体を優しく温めてくれる豚肉と、水分バランスを整えてくれるお豆腐を合わせることで、お腹の中からじんわりとほぐれていくような感覚を味わえます。
具だくさんスープとしての食べごたえもありながら、お腹に重すぎない。まさに、この季節の揺らぎやすい体にぴったりの養生汁です。
包丁をほぼ使わない、15分で完成するレシピ
この豚汁の最大のポイントは、とにかく『がんばらないこと』。包丁を握る回数を最小限に抑え、鍋ひとつで仕上げます。
材料(作りやすい分量・約2〜3人分)
- 豚薄切り肉(バラまたはこま切れ):100g
- 新ごぼう:1/2本
- 豆腐(絹でも木綿でも):1/2丁
- 和風だし(だしパックや顆粒だし):400ml
- 味噌:大さじ1.5〜2
- ごま油:小さじ1
作り方
- 新ごぼうの下ごしらえ 新ごぼうは泥を洗い流し、包丁の背で軽く皮をこそげ落とします。ここからは包丁を使わず、ピーラーを使って直接鍋の中に薄くスライスして落としていきます。これならまな板が汚れません。
- 炒めて旨味を引き出す 鍋にごま油を熱し、豚肉を炒めます。色が変わってきたら、スライスした新ごぼうを加えてさっと炒め合わせます。油が回ることで、ごぼうの香りが引き立ちます。
- 煮込んで豆腐を加える だし汁を加え、中火で5分ほど煮込みます。新ごぼうが柔らかくなったら、豆腐を手で大きめにちぎりながら鍋に入れます。手でちぎることで断面が不規則になり、味が染み込みやすくなります。
- 味噌を溶き入れる 豆腐が温まったら弱火にし、味噌を溶き入れます。ひと煮立ちする直前で火を止めれば完成です。
疲れた日のごはんを、一汁一菜で肯定する
'ちゃんとおかずを作らなきゃ'という思い込みは、心も体も疲れているときには少しお休みさせてもいいのではないでしょうか。
この具だくさんな豚汁には、たんぱく質も野菜もぎゅっと詰まっています。新ごぼうのシャキシャキとした食感と、お豆腐のなめらかな口当たり、そして豚肉のコク。これらが一杯の器の中で調和して、一口すするごとに、こわばっていた体がほどけていくのがわかります。
おかずを何品も並べなくても、この温かい汁物とご飯があれば、家族のお腹も心も十分に満たされます。
外はしとしとと雨が降り、部屋の中は少し薄暗い夕暮れ時。お気に入りの器にたっぷりと豚汁をよそって、ふうふうと息を吹きかけながらいただく時間は、慌ただしい一日の中で自分を取り戻す大切なひとときになります。
今日のごはんは、これで十分。完璧にできなくても、温かいものを食べて一日を終えられたなら、それだけで素晴らしいことです。自分を労わる優しい一杯で、梅雨の季節を心地よく乗り切っていきましょう。


